ニュース&トピックス

平良泉幸氏の写真発見

終戦直後、沿道で展覧会
元米兵、琉米歴史研に寄贈

images

【大宜味】大宜味村大兼久出身の画家で、戦後は教育者としても多くの功績を残した平良泉幸氏(1911〜95、享年84)が、同村内で展覧会を開いている49年撮影の写真がこのほど、元米兵のドン・キューソンさん(69)=米アリゾナ州=からNPO法人流米歴史研究会(喜舎場静夫理事長)に託された。終戦直後の芸術活動を知る上で、同村村史編さん室も貴重なものとみている。

平良氏は師範学校卒業後、教育の傍ら35年沖縄洋画協会員となった。1936年に創設され、現在まで続く大潮展の第1回に入選するなど、戦前は中央の美術界でも活躍。戦後も絵画、彫刻作品を発表する一方、県立高校校長、浦添市社会福祉協議会会長など教育・福祉にも力を尽くした。

展覧会場は大宜味村内の道路沿いに、支柱と厚手の布でつくった簡単なもので、日本語で「非売品」の表示や英語で「材料を提供すれば絵と交換する」などの案内がある。作品は塩屋湾や喜如嘉から国頭を望む風景画で当時の沖縄の様子もうかがえる。

平良氏の自叙伝によると、終戦直後は米軍幹部から絵の具などの材料提供があったことや、沖縄の風景を描いた作品に米兵の関心も高く、絵とたばこを交換した思い出などがつづられている。


<2012.9.13 琉球新報>




[[ 閉じる ]]

Copyright (c) 2008 NPO Ryukyu America Historical Research Society. All Rights Reserved.